椎名林檎と宮本浩次(エレカシ)のコラボ曲「獣ゆく細道」レビュー

まずこれ見てんか。


椎名林檎と宮本浩次-獣ゆく細道

最初、好事家のコラージュかと思った。よくあんだよ。でも林檎ちゃん宮本好きって言ってたからなくはないな、なんか事変主催のイベントにエレカシが出てたこともあったしな、つて見てみた、ら、

うーん最初の感想は、第一に、宮本の歌唱が林檎サウンドに乗ってるのが新鮮。第二に、宮本かっこいい。第三に、林檎ちゃん可愛い。

第四に、なかなか良かった。第五に、まぁこの程度か。

第六に、しかし、最近の宮本(エレカシ)はほんとにダメなんで、今回の林檎ちゃんのようにエレカシが好きで自身おもろい音楽もってる人が、次々宮本をプロデュースしてやってほしい、コラボってやってほしい。そして宮本の眠れる魅力を引き出したってほしい。宮本がある種鬼才であるのはたしか、でもご本尊、その潜在力の引き出し方をご存知ない、ていうか間違って理解している。

で変に大御所みたいなポジションまできてしまったんで周囲もなんか言えないでいる、殿、お突っ走りの方向が明後日でございますよ、でもファンもなんか莫迦ばっかだから言わない。みたいな、ふうに見えてる。

このオレの両眼からはそのように視エテルヨ世界ガ。

以上が「最初の」感想である。

こっから先は私の妄想である…

 

宮本は車で出かけた、ジェイソン・ケイみたいに高級車で、乗り付けたは洞穴、そうしてフォースの力を頼みにして虎穴に入る、人には自恃があればよいって宮本がその生まれ変わりであるところの中原中也も言ってたしね、もしもぅし、申して良か? ウンいいよ、申せ、モーセ。「宮本なにしに洞穴来たん?」たしかに、大盛を食らいに来たとも思えない、そこが伝説のメガ盛り男飯の定食屋(洞穴ふう)なんで来た、つうのもライブやる人は腹が減るのでね、などと想定することはチト困難である。無理をこかないと想定できないようなことを人は想定するべきではない、だから想定外を想定して超長大防潮堤など築かなくていいのだ人民よ、朕の統ベル葦原中国ノ美シキ海岸線ヲ汚スナ…星の砂。さて「宮本なにしに洞穴来たん?」かれは男を磨きに来たのである。洋の東西を問わず男は自分このままじゃ駄目だなー男を磨きたいなーと思うと洞穴に入るのである、分からないなら映画バットマンを見ろ。もしくはファイナルファンタジー4をやりなさい。おやりなさい、ファイファンを、そして踊りなさい、時にはケモノのように。「けものがれ、俺らの猿と

 

さて、最近の宮本のダメさを確認するために、エレカシディスコグラフィーを見てみよう。名盤Starting Over(2008)のあと、出たシングルを時系列で並べると・・

・桜の花、舞い上がる道を(2008)★

・新しい季節へキミと(2008)★

・絆(2009)★

・幸せよ、この指にとまれ(2010)★

・明日への記憶(2010)

・いつか見た夢を(2010)

・ワインディングロード(2011)★

・大地のシンフォニー(2012)

・ズレてる方がいい(2012)

・あなたへ(2013)☆

・Destiny(2014)

・愛すべき今日(2015)

・夢を追う旅人(2016)

・風とともに(2017)

・RESATRT(2017)

このようにズラズラ並べてみて、最初に思ったことは、「多いな」である。これだけコンスタントに発表するというのは、第一に、よくやるよね、第二に、儲かるだろな。との感想をわが肩甲骨中に幻出せしむる。

第二に思ったことは、こうズラズラ並べてみても、所期の、宮本のダメさをあぶりだすという効果は、全然あがらないなということである。では俺のしてきたことって一体。

第三に思ったことは、しかし、ええいこれでいけ、ドーンといけ! ということである。つまり、無理矢理にでも、この曲名の駄列から宮本のダメさをあぶりださないではおかないぞということで、私はこの中で自分が金をかけて実際に購入した盤に★印をつけた。で、買ってないけど(というのはこの2013年の前後数年、私は山籠もりをしておって、CD盤など購入できる環境になかった)すごく好きな「あなたへ」に☆印をつけた。

したところ、あることが明らかになった、というのは、ゴメンねそれは飽くまで自分にとってということだけど、★も、☆もついてない曲に関しては、私はほとんどメロディの一節さえ想起することができない! ということ。それが明らかになった!

あんなに愛したキミのこと、なんだか可笑しく見えてきたんだ、とは関取花ちゃん。

あんなに好きだったエレカシのシングル曲が、ほとんど詞・メロディの一節だに思い出されないということは、俺にとって驚くべきことだった。

むろん、エレカシが新曲だしたーというと、必ずチェックはする。どれどれ、味見。だから、挙げた全ての曲につき、私は少なくとも一度や二度、耳をそれで千枚通ししていわゆる串刺し・刺し貫いて脳漿をブチ撒けている筈である。にも関わらず(だからこそか?)記憶には何も残っていない。

ということは、一度きいて、ウワッ滓だな、と思い、二度と聞かなかった、あるいは、せめて二度聞いたが、糞っ莫迦野郎、二度と聞くか!と叫んでヘッドフォンを床に叩きつけたか、そのどちらかであるということだ。

(正確にいうと、埼玉県を舞台にした青春群像活劇の主題歌、「ズレてる方がいい」に関しては、四回五回はきいていて、錆くらいは歌える。ああ、仮初の夢でも、無いよりはましさ。て奴であろう)

 

「あなたへ」は、宮本の、覚醒だと思ったんだけどな。

宮本(エレカシ)が「ダメになった」ことの客観的な証明は何もしてないけど、俺、このオレね、漏れが、生の航路をエレカシと分かった様子はこれで克明になりましたな。証明、終了でごんす。Q.A.D。

あ違うQEDか。

 

以上を踏まえてもう一度きいてほしい。最後に。


椎名林檎と宮本浩次-獣ゆく細道