ブラジルちゃんとやれ
ブラジルの博物館が焼けた。ニュースに胸を痛めている。
最近これほど哀しかった事件はない。
これほど哀しい事件は最近なかった。
想像してみよう。国の博物館であるぞ。フランスで言やルーヴルだ。スペインで言や、プラドだ。ロシアで言やエルミタージュだ。英国で言や大英博物館だ。
日本で言えばむろん上野の国立博物館である。とーはくが焼けて、「所蔵品のほとんどが」焼けてしまったと思いねえ。
悔やんでも、悔やんでも、悔やみきれぬ。聞けば2000万点の貴重な考古学人類学歴史学アーティファクト、そのほとんどが失われたという。
人類はこの損失の大きさに堪えかねて悉皆自殺しなけあなりません。絵の中の/バベルの塔から/飛び降りて。
ここで一曲。三上寛(みかみかん)、「博物館」。
Mikami Kan / 三上 寛 - "Bijutsukan" 「美術館」live
「美術館」でしたね。
この三上寛に似ているうちの父親が、いま目の前で、以下のように発語し、去っていった。
「風が吹くと気持ちいいけど、暑い」
「シャワー浴びてくるかな」
日本人は大した発言をしない。日本語では大した発言は行われない。これが私たち自慢の日本語です。諸外国の皆さん、これが我々の精神の建材です。
音楽はその国の宝だ。ちゃんとやろうよ、エンケン。
そう言ったエンケンがいたな。エンケン、ちゃんとやれ!天国でもちゃんとやれ!
遠藤賢司 - 夢よ叫べ @ 世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!
この遠藤賢司に似たうちの父親に、「明日は暑いの?」と問うたところ、以下の回答を得た。
「わからん」
「天気予報見ないとわからん」
ちゃんとしてる。親父はちゃんとしている!――そう思った。
ところでブラジルの博物館火災だが、建物は200年前のもので、でも整備をちゃんとしていなかったので、いろいろダメで、そんで火事になっちゃったのだそうだ。
マジ、ちゃんとやれよ、ブラジル。
ちゃんとやれ! ブラジル!!