summertime という謎にみちた歌

Summer time という曲がある。

ジャズのスタンダードナンバーというんですか。僕はエラ・フィッツジェラルドのLIVE in Berlinで聴いた。マック・ザ・ナイフ(どすのメッキ―。ブレヒト三文オペラ」)入ってるやつね。

その歌詞は謎と魅力に満ちていて、年少の頃から妙に胸を引かれた。胸を?興味を惹かれた。ジャッキのように持ち上げられた。興味をね。lift upされた。

惹起されたのだ、興味関心を。胸をそそられた。胸を?関心をね。気を。

胸を・・そうだ開かされたというのかな。首が回らなくなった。(首が?)

そこで試訳を試みる。試訳を?ためす。私訳を。やってみるで~~ございす。

"Summertime"

Summertime, and the livin' is easy
Fish are jumpin' and the cotton is high
Oh, your daddy's rich and your ma is good-lookin'
So hush little baby, Don't you cry
"夏場"

夏場, 生活は楽
魚は跳ねてるしコットン(綿花)は高い
押忍, おまいのダディは金持ちで、おまいのマンマは見目麗しい
だからシィイ、赤ちゃん、泣かないで
 
まず難しいのは、”summertime”をどう訳すか。summerは夏だ。子供でも知ってる。これにtimeがつくと、ニュアンスどう変ずる?
夏の一時期。夏のころ。夏ともなれば。夏の日は。あの夏の今は。
 
次にワカランのは、”fish are jumping”だ。その意味するところは?魚(複数)はジャンプしている。しつつある。つまり魚は元気だ。海で跳ねてる。ではその魚とはトビウオか。いや必ずしも。池辺でたたずんでいると、ときどきじゃぼんと水が音する、あれはうおがはねたのだ。魚が元気であるのは良いことだ?
 
次に分からないのは”cotton is high”。コットンは高い、と単純に言うと、「値段が高い」みたいなことになる。それいいのか?
 
魚(複数)は跳ねる、ということは水面に近く多くのうおがいて、よくとれる、大漁じゃ。また、コットンは市場で高く評価され、高い値がついて売れる。そうしたわけで、この海辺かつ製綿業の盛んな一帯は、経済的に潤っている。そういうことでいいのか?
 
んでパーはリッチでマーはかわいいときて、
 
最後にむつかしいのは”hush”だ。これは、多分語の後半のshの音がみそで、これでshhhhいわゆるシィイイとやって泣く子をだまらすんだろう。人差し指をくちびるに当てて。
でもシィイイと訳すだけでいいだろうか。語の前半、huの部分は訳さなくていいのか。しかし日本語ではシィイとは言ってもハッシュとは言わない・・。
 
というわけで、とりあえず訳してはみたものの、自信ない、不安だ、歯の根が合わぬ、誰か私を教えてくれ救ってくれと言いたいのである。summertime、きいてください。